未成年の子供がいる親こそ遺言書作成が必要な理由
こんにちは!
相続業務に特化した、狛江の行政書士の土橋(つちはし)です。
今回は「未成年の子供がいる親こそ遺言書を書こう!」というテーマで書こうと思います。
「遺言書」と聞くと、お仕事をリタイアされたご高齢の方や、親族間で揉めているご家族が書くもの……というイメージがありませんか?
そう考えると「自分はまだ健康だし、子供も小さいから遺言書なんて早すぎる」と思うのが普通ですよね。
しかし今回は、あえて一般的なイメージとは逆の、「未成年の子供(18歳未満)がいる若い世代(20代〜50代)にこそ、遺言書を書いてほしい」というテーマでお話しします。
なぜ、健康で働き盛りの世代に遺言書が必要なのでしょうか?その「意外な理由」を解説します。
「親が子どもの代わりに手続き」はNG!
遺言書がない場合、遺産の分け方は相続人全員での「遺産分割協議(話し合い)」で決めることになります。
もし、働き盛りの父親が不慮の事故で亡くなり妻と幼い子どもが残されたケースを想像してみてください。
相続人は「妻」と「子ども」になります。
子どもが幼い場合「お母さんが全部管理して、手続きも代わりにやっておけばいいんでしょ?」と感覚的には思いますよね。 しかし、法律ではそれが許されていません。
遺産を分ける際、妻と子どもは「自分が多くもらえば、相手の分が減る」という関係になります。これを法律用語で「利益相反(りえきそうはん)関係」と呼びます。 そのため、たとえ実の母親であっても、親権者として子どもの代理人になり、自分に都合よく(例えば「すべて妻の名義にする」など)遺産分割を進めることはできないルールになっているのです。
家庭裁判所での「特別代理人」選任という高い壁
では、どうすればいいのでしょうか。
法律上、妻とは別に、子どもの利益を守るための「特別代理人」を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
この特別代理人が、子どもに代わって遺産分割協議に参加し、協議の内容が子どもにとって不利益なものになっていないかを確認しながら手続きを進めることになります
ただでさえ配偶者を亡くして悲しみと混乱の中にあるのに、家庭裁判所へ書類を集めて申立てを行い、数週間から数ヶ月も待たなければならない……。
その間、亡くなった夫の銀行口座の凍結も解除できず、生活費の引き出しすら制限される可能性があります。
残されたご家族にとって、これは想像を絶する負担です。
遺言書が1枚あれば、裁判所の手続きを避けられる
この煩雑な手続きを回避する可能性を高める方法が『遺言書』です。
もし生前に「全財産を妻に相続させる」といった内容の遺言書を作成しておけば、原則として遺産分割協議をせずに手続可能です。その結果、未成年の子どもとの遺産分割協議が不要になり、特別代理人の選任手続きを避けられる可能性が高くなります。
ただし、子どもの遺留分など別の問題が生じる可能性もないとは言い切れないため、内容は専門家に確認しておくと安心です。
「未成年の子供がいる方は、万が一に備えて遺言書を書きましょう」と私たちが強くおすすめするのは、まさにこのためです。
■まとめ:まずは「自筆証書遺言」から始めてみませんか?
未成年の子供がいるご家庭にとって、遺言書がいかに「残された家族を守る強力な盾」になるかをご理解いただけたかと思います。
とはいえ「わざわざ公証役場に行って『公正証書遺言』を作るのは、時間もお金もかかるし大げさすぎる……」と気が引けてしまうお気持ちもよく分かります。あくまで「万が一のお守り」としての側面が強いですからね。
そこでおすすめなのが、ご自身で手書きする「自筆証書遺言」です。
[狛江の行政書士が解説|自宅で遺言書を見つけた時の注意点と検認]
自筆証書遺言は、紙とペンがあればご自宅でも作成できます。
最大の注意点としては、本文・日付・氏名は自分で手書きし、押印する必要があることです。
財産目録を添付する場合は、パソコンで作成したものや通帳コピーなどを利用することもできますが、その場合は各ページに署名押印が必要です。
たとえば「妻の〇〇花子に全財産を相続させる」といった内容を、法律上のルールに沿って作成することが大切です。
参考サイト 法務省 自筆証書遺言に関するルールが変わります。
気軽に書けるとは言ったものの書き方にはいくつか法律上のルール(注意点)があります。とは言えまずは難しく考えず「面倒な裁判所の手続きから家族を守るため」と割り切って、とりあえず作成してみることをおすすめします。
「これで法的に有効なのか不安だ」という場合は、作成したメモをお持ちいただき、当事務所や市役所の無料相談会などで専門家に見せてください。専門家に確認してもらうことで、形式不備やトラブルのリスクを大きく減らせます。
遺言書は、残されるご家族への「最後の思いやり」です。
未成年のお子様がいらっしゃる方は、「まだ早い」と思わず、一度ご自身のケースで必要性を確認してみることをおすすめします。
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