【狛江の相続】遺産分割がまとまらない!「争族」になった場合の手続きと流れ
こんにちは!相続業務に特化した狛江の行政書士の土橋(つちはし)です。
今回は、遺産の分け方をめぐって相続人同士で激しい争いが起きる、いわゆる「争族」になってしまった場合の手続きと流れについて解説したいと思います。
遺産の分割方法は、基本的には「遺言書」に従うか、「相続人全員での話し合い(遺産分割協議)」で決めるかのいずれかになります。
狛江の行政書士が解説|相続財産の分け方は「遺言」か「話し合い」
しかし、相続では、財産の多い少ないにかかわらず、感情の対立から話し合いがまとまらなくなることがあります。
「介護をしてきたのは自分だ」「生前に援助を受けていたはずだ」など、それぞれに言い分があるためです。
では、話し合いが平行線になってしまった場合には、どのような手続きへ進むべきなのでしょうか。
出来れば避けたい事態ではありますが、万が一「争族」になってしまった場合の法的な流れについて解説いたします。
「争族」解決へのステップ:協議 ⇒ 調停 ⇒ 審判

遺産の分け方について相続人同士の話し合いで決着がつかない場合には、遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)という手続きを申し立てることになります。
申し立て先は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。
① 遺産分割調停とは?
「裁判所」と聞くと、テレビドラマのように裁判官が一方的に「判決」を言い渡すシーンを想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、調停はそうではありません。
あくまでも相続人同士の話し合いの間に、家庭裁判所の「調停委員」が中立な立場で入り、お互いの妥協点を見出していく手続きです。当事者同士が直接顔を合わせずに意見を調整できるため、冷静な話し合いが期待できます。
調停はあくまで話し合いの延長線上にある手続きです。
そのため、ここでも感情だけで押し切ろうとするのではなく、冷静に着地点を探る姿勢が大切になります。
ちなみに調停まで進んだからといって、必ずしも泥沼化するわけではありません。実際には、その段階で話し合いがまとまるケースもあります。
② 合意できなければ「審判」へ
もちろん、調停委員が間に入っても、最終的に合意できないケースもあります。 調停が不成立となった場合には、自動的に審判(しんぱん)という手続きに移行します。
審判では、最終的に裁判所が遺産の分け方を判断することになります。
では、どういうケースで審判までもつれ込むのでしょうか。
例えば、相続人が正当な理由なく調停を欠席し続ける場合や、相続人の誰かが客観的な証拠もないまま一方的な主張を曲げない場合などが挙げられます。調停はあくまで「話し合いを取り持つ場」だからです。
調停まで進んだときに意識したいこと
もし調停まで進んでしまった場合は、当事者同士での直接協議の時以上に「譲り合いの気持ち」を持つことが重要になります。
なぜなら、最終的な「審判」まで行ってしまうと、裁判所が事情を踏まえて分割方法を判断します。
協議がまとまらないよくある理由として、「私が親の介護をずっと担ってきた(寄与分)」や「あいつは生前に親から家を買う資金を出してもらっていた(特別受益)」といった主張のぶつかり合いがあります。
しかし、これらの主張を調停や審判で通したい場合には、客観的な「証拠」が必要です。主張する側に「証明する義務」があるので通帳や送金記録、介護の記録など、裏付けとなる資料が大切になります。
まとめと相続税のリスク
相続が「争族」となった場合に必要な手続きとその流れについて説明しました。
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まずは家庭裁判所の調停委員が間に入る調停で話し合う
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調停で合意できなければ、最終的には審判で裁判所の判断を受けることになる
ご自身の主張を続ける正義もあるとは思いますが、最終的にはある程度の「譲り合う気持ち」が必要になってきます。その最大の理由が税のリスクです。
相続税が発生するケースでは、原則として相続があったことを知った日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税を行わなければなりません。 しかし、争族になって遺産分割協議がまとまっていないと、各相続人が支払うべき正確な納税額が決まりません。
その場合でもとりあえず法定相続分で相続をしたと仮定して、期限内に相続税を支払う必要があります。
また一般論として、未分割のまま申告期限を迎えた場合には、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった特例を使わずに申告することになるケースがあります。
特に遺産に不動産が含まれている場合には、特例の使い方によって税負担が大きく変わることもあります。 もちろん、最終的に調停や審判で分割内容が決まった後に手続きをすれば、払いすぎた税金の差額は返金されます。しかし、一時的にであっても高額な納税資金を準備して支払うことは、経済的負担になり皆さんが避けたいころでしょう。
「意地を張って長引かせると、結果的に全員が金銭的に苦しい思いをする」という観点でも、どこかで譲り合い、早期解決を目指すことが何よりも大切だということを改めてお伝えいたします。
税務上の扱いは個別事情によって異なるため、具体的な申告については税理士に確認するのが安心です。
なお、相続人同士の争いが具体化し、調停や審判に進む場合には、弁護士の対応が必要になる場面もあります。その際は必要に応じて弊社と提携する狛江4中出身の弁護士が対応させていただきます!
相続の争いは、法律の問題であると同時に、家族の感情が深く関わる問題でもあります。だからこそ、こじれてから動くのではなく、早い段階で状況を整理しておくことが大切です。
協議書作成での失敗を防ぐためには、こちらの記事もあわせてご確認ください。
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相続手続きや遺産調査で不安を感じた際は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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