エンディングノートと遺言書の決定的な違い!法的効力と使い分け

こんにちは!
相続業務に特化した、狛江の行政書士の土橋(つちはし)です。
書店やインターネットで手軽に入手できる「エンディングノート」。 ご自身の終活として、一度は耳にしたり、実際に手に取ってみたことがある方も多いのではないでしょうか。
よくご相談の現場で「エンディングノートを書いたから、遺言書は作らなくても大丈夫ですよね?」と聞かれることがあります。
結論から申し上げますと、それは大丈夫ではありません。
エンディングノートはあくまで「自分の頭の中や情報を整理するための道具(メモ)」にすぎず、遺言書のように、財産の分け方を法的に実現させる効力はありません。
今回は、この2つの決定的な違いと、残されたご家族を困らせないための「正しい活かし方」について解説します。
エンディングノートの本当の役割とは?
法的効力がないとは言いましたが、エンディングノートを作成するメリットは非常に大きいです。
その最大の役割は「残された家族の手間を減らし、気持ちを伝えること」にあります。
いざ相続が発生すると、ご家族は悲しむ間もなく、葬儀の手配や財産調査に追われることになります。 そんな時、エンディングノートに以下のことが書かれていると、ご家族は本当に救われます。
・誰に葬儀の連絡をしてほしいか(交友関係)
・どこの銀行に口座があるか、どんな保険に入っているか(財産の目星)
・スマホやパソコン、サブスクリプションのパスワード(保管場所に注意が必要です)
・これまでの感謝のメッセージ
このように、事務手続きの道標として、あるいはご自身の気持ちの整理として、エンディングノートは非常に優れたツールです。
銀行は動かない!「法的効力」という決定的な違い
では、なぜエンディングノートだけでは不十分なのでしょうか。
それは「エンディングノートを銀行の窓口に持っていっても、口座の凍結解除(お金を引き出すこと)は原則としてできない」からです。
例えば、エンディングノートに「長男に全財産を譲る」とハッキリ書いてあったとしても、金融機関や法務局(不動産の名義変更)の手続きでは何の効力も持ちません。
これらのお金を動かす手続きには、民法で定められた厳格なルールに基づく「遺言書(自筆証書遺言や公正証書遺言)」、もしくは「相続人全員の実印が押された遺産分割協議書」が基本的には必要になります。
エンディングノートが「争族」の火種になるケース
実務の現場で一番怖いのが、「エンディングノートにお金の分け方を書いてしまったことで、かえって親族トラブルになるケース」です。
法的効力がないノートに「長男に多く財産を残す」と書かれていた場合、長男は「親父がこう書いてくれたんだから俺の分だ!」と主張します。しかし、他の兄弟からすれば「法的効力はないんだから、きっちり平等に分けよう」と反発し、泥沼の争いに発展してしまう可能性があります。
自分の死後の「財産の分け方」に関する希望を確実に実現したいのであれば、必ず法的な効力を持つ「遺言書」という形で残さなければなりません。
例えば、次のような内容は、エンディングノートではなく遺言書として残す必要があります。
・遺贈(法定相続人以外にお金を残すこと)
・遺言執行者(手続きの代表者)の指定
・遺産分割の禁止
・子の認知や、相続人の廃除
まとめ:ノートで整理し、遺言書で確実な形にする
エンディングノートと遺言書の違いについてまとめました。
エンディングノートは、自分の余生や死後を念頭に情報を整理する素晴らしいツールですが、遺族に対する「法的な強制力」はありません。
作成したら終わりではなく、年に一度は見直して情報をアップデートしていくのが良いでしょう。
個人的にはエンディングノートにはとても肯定的なスタンスでいます。終活を早めに元気なうちにカジュアルに行うことは残された家族にとって大変助かるものです。
そして「ノートに書いた財産の分け方(死後の希望)を、確実に実現させたい」と思ったら、それをベースにして専門家と一緒に「遺言書」を作成するのが一番確実で安全な方法です。
「エンディングノートを書いてみたけれど、これをどうやって法的に有効な遺言書に落とし込めばいいか分からない」 「自分の書いた内容が、将来トラブルの火種にならないか不安だ」
そんな時は、ぜひ狛江相続相談センターまでお気軽にご相談ください。
ご自身の想いを、ご家族を確実に守る「法的に正しい形」にするサポートをさせていただきます!
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