狛江の行政書士が解説|相続後の貸金庫の開け方と遺言の注意点!
こんにちは!相続に特化した狛江の行政書士の土橋(つちはし)です。
今回は、お亡くなりになった方(被相続人)の遺産の保管先が「銀行の貸金庫」にあるケースについてまとめます。
貸金庫は、被相続人がご存命であれば、あらかじめ指定した代理人でも開けることが可能です。しかし、お亡くなりになった後は、たとえご家族や代理人であっても勝手に開けることはできなくなります。
では、どうすれば貸金庫を開けられるのか?また、これからの相続発生に備えて今からできる対策について、分かりやすく解説しますね。
相続発生後に貸金庫を開けるための条件
相続開始後に貸金庫を開ける方法はあります。それは「相続人全員の同意」を得ることです。
もちろん、口頭での意思表示だけでは足りません。一般的な必要書類は以下の通りです。
• 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
• 相続人全員の戸籍謄本
• 相続人全員の印鑑証明書
• 各銀行が定める同意書(相続人全員の署名・実印が必要)
• 貸金庫の鍵
このように、相続人全員の足並みを揃え、書類を完備しなければならないため、ご遺族にとって非常に大きな手間と時間がかかります。
貸金庫の開扉をスムーズにする「生前対策」
貸金庫の利用自体をやめなくても、相続後に貸金庫を開く苦労を考慮して、生前に対策できることがあります。
それは、「遺言執行者に貸金庫を開ける権限を付与すること」です。これを遺言書に定めておけば、他の相続人の同意や実印・印鑑証明書を全員分集めることなく、遺言執行者が単独で貸金庫を開けることができるようになります。
【遺言執行者とは?】
亡くなった方(遺言者)の遺言書の内容を、相続人に代わって単独で実現する法的な権限を持つ人のことです(銀行口座の解約・名義変更、不動産の登記手続きなども含みます)。
遺言執行者は、遺言書の中で指定されるか、家庭裁判所で選任されます。したがって、これからの相続に備える場合には、遺言書の中で遺言執行者を指定し、「貸金庫の開扉、内容物の取り出し、その他貸金庫に関する一切の権限を与える」旨を記載しておけば、スムーズな手続きが可能となります。
【要注意】最大の落とし穴!遺言書を貸金庫に入れない
遺言書で「遺言執行者に貸金庫の一切の権限を付与する」と記載して対策する場合に、絶対に注意してほしいことがあります。
それはその遺言書自体を貸金庫に保管してはいけないということです。
公正証書遺言であれば、公証役場で原本が保管されているため問題ありません。しかし、法務局の保管制度を使わない「自筆証書遺言」を作成し、それを貸金庫に入れてしまった場合、「その遺言書を取り出すために貸金庫を開けたいのに、遺言書の中身が確認できないから開けられない」という、本末転倒な事態に陥ります。
実務上よくある落とし穴ですので、くれぐれもご注意ください。
まとめ
今回は、遺産の保管先が銀行の貸金庫にある場合のお話についてまとめました。
お亡くなりになると、貸金庫の開扉には相続人全員の同意と実印・印鑑証明書が必要になり、ご遺族の事務負担が跳ね上がります。遺言書を作成する際に、遺言執行者へ貸金庫開扉の権限を与える旨を記載しておけば、執行者が単独で開扉できるので、ぜひご検討ください。
(※ちなみに、相続人の中に連絡が取れない方や行方不明の方がいる場合は、全員の同意が得られません。その例外的なケースにおいては、公証人の立ち会いのもと貸金庫を開けることも実務上可能です。)
相続や遺言書、貸金庫の扱いでお困りの際はお気軽にご相談くださいね。
お疲れ様でした。
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